この気持ちに名前をつけるなら
光太はそんな私を見て、優しく微笑んだ。
「こういうことに喜べる一子も、俺は好きだよ」
その言葉に、私も笑う。
同じ気持ちでいることが、心を満たす。
安心する。
壊したくない。
「私も、優しい光太が好きだよ」
その気持ちは本心。
光太は滴る汗を腕で拭うと、残りのスポーツドリンクを飲み干した。
「あっつ……、」
「本当だね」
近くのウサギ小屋に視線を向ける光太の顔が赤くなっている。
「日焼けしちゃうかもね」
「だな」
修学旅行、やっぱり来て良かった。
私は相当浮かれている。
自分が思っている以上に。
全てに感謝したい気持ちだ。