あなたに逢えてよかった。~叶え、夢~


私は無意識のまま、タクシーに乗り込んだ。

…窓からは、二人の姿がまだ見えていて、つらかった。

なんとか行き先を言って、そのまま静かに泣いた。たぶん、タクシーの運転手さんは気づいたと思う。

時々、後ろをむいて微笑みかけてくれてたから。


運転手「着きましたよ。」


夏帆「あ、ありがとうございました。」


私は運転手さんにお金を渡して、タクシーから降りようとした、その時。


運転手「夏帆さん。辛いときは泣いた方がいいんですよ。」


夏帆「え…?」


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