血の記憶




「…そう」


「でもっ」


「ちょっと、声でかい」



急に声のボリュームを上げた翔真に注意をするけどそんなことお構いなしに



「辛くなったら俺に言って」



当然静かな教室に大きい翔真の声が響く。


「先生はお前に無視されて辛いかな」



冗談っぽく言った先生に周りからも笑い声が起きる。


その様子でやっと自分の声が大きいことを悟ったのかすみませんとかヘラヘラ笑いながら謝った。


私は注意したからね。


ちらちらこっちを見ながらぶつぶつ言っていた翔真は急になにかの紙を私に渡してきた。


なによこれ、嫌がらせのゴミ?



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