血の記憶
「…翔真授業は?」
「さぼっちゃった!」
恐る恐る聞いた私に明るい笑顔で答える翔真。
そんなにさぼってて授業ついていけるの?
先生もいい加減ちゃんと注意しないと。
ハァと思わずため息をつきながらベッドからゆっくりおりる。
床にあるスリッパを履き立ち上がった私の視界が急にぐらつく。
「……あぶなっ、大丈夫?」
「……ゃっ、…」
そんな私を支えた翔真を私は突き飛ばした。
違う。
あいつじゃない、大丈夫大丈夫だから。
そう言い聞かせながらゆっくり呼吸を整える。