血の記憶
昔お母さんが作ってくれたのを横で見てたからできる気がするけど自信はない。
私のお母さんも料理は上手な方ではなかった。
それでもオムライスだけはなぜかお父さんよりも美味しくて、私はお母さんが作るオムライスだけは大好きだった。
えっと、確か先にご飯を………。
イメージ通りにいかない自分のぎこちない手でなんとか料理をする。
なんとかケチャップライスができて卵を混ぜていた時だった。
ブーーー ブーーー ブーーー
着信を告げるケータイのバイブが部屋に響いた。
画面を覗きこんでも身に覚えがない番号。
怖くなってしばらく放っておくとバイブはピタッととまった。