血の記憶




そんな私の言葉を無視して翔真は口にオムライスを含んだ。



「……えっと、うん美味しいよ」


「無理しなくていいから。食べれなかったら残して」



そう言って私はまた食べる。


そんな私の様子を見て翔真も負けじと食べ始めた。


おかしい、今日のご飯不味いのにいつもより美味しく感じる。


いつもは生きるために仕方なく食事をしてた。


味なんて分かんなかった。ただ口にある異物を飲み込むことに集中してた。


今日のオムライスはご飯はベチャベチャでケチャップを入れすぎたのか味は濃い。


卵だって所々焦げている。


それでも今日のご飯は残さず全部食べた。


自分でも驚くほど久しぶりだった。


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