血の記憶
ほんと仲いいんだか悪いんだかよくわからない二人だ。
ふーっと一息つくと外に目をやった。
外は嫌みなほどの快晴で太陽の光が寝不足の目にしみる。
入学したときに咲き誇っていた桜も今では青々しい葉を茂らせている。
―――あいつと初めて会話したのは夏だったけ。
確か夏休みにはいる前。
初めは良かったんだ……。
あいつの笑顔を思い出した私の頭が鋭くズキッと痛んだ。
………っ。
頭を抱えてもやまないその痛みに耐えきれなくなった私は手をあげた。
「お、なんだ?香坂」
朝のHRをしていた先生が驚いたような声をあげるけどそんなの気にしている場合じゃなく。
「具合、悪いので保健室に行きます」
それだけ告げ先生の返事も聞かずに教室をでた。