血の記憶





教室をでたその足で向かった先は保健室、ではなく屋上。


息を吸ってもなぜか息苦しい。


屋上の扉を開けると一気に流れてくる新鮮な空気。


日陰の場所までフラつく足取りで向かって腰をおろす。


着ていたブレザーを脱いで下にひいた。


シワになるかな……?


ちょっと躊躇いながらもそこに寝ると大分楽になった。


さっきまで苦しかった呼吸も嘘の様になくなり、頭痛も若干和らいだみたい。


それにしても……。


ハァとため息をついた。


思い出すだけでこれって、私あのころとなにも変わってないのかな?


一人じゃなにもできない弱虫で人に頼っていたあのときから




私は結局前に進めていない



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