血の記憶





学校にもう着くという頃にもチラチラと顔色を伺うように見てくる翔真。


意味不明な翔真の行動にだんだんイライラしてきて文句を言おうかと口を開いたときだった。



「おはよー奈央ちゃんと翔真!」



明るい声と共に左肩に置かれた手


左を見てみればそこにいたのは祐樹。



「おはよ、祐樹」


「え、は、嘘でしょ………」



挨拶を返すと祐樹はぽつりと呟いて翔真と同じように目を丸くした。


もう、なんなのよその反応。


固まってしまった二人に我慢ならず置いていこうと背を向けたときだった。



「奈央ーおはよー!」



遠くから香奈の声が聞こえ振り向くと


私達が歩いてきた道の先から香奈がこちらに手を振りながら走ってきている。

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