血の記憶





転けそうだなーって見てたら本当に躓いて



「え、ちょ香奈大丈夫?」



思わず慌てて駆け寄った。


香奈の隣まで行くと躓いたのになぜか嬉しそうな笑顔を浮かべてありがと、なんてお礼を言われたりした。


なんか今日は皆変だななんて思いながら香奈と二人で翔真と祐樹のところまで行く。


すると今まで固まっていた祐樹が口を開いて



「奈央ちゃん、なにかあったの……?」



なんて恐る恐る聞いてきた。


なにかあったのって……それ私のセリフなんだけど


二人して固まってるし香奈はなんか嬉しそうだし。


でも私以外の皆はなぜか私がおかしいってところに納得していて


私は首を傾げた。



「私なにかした?」



そう聞いてみれば3人は一斉に首を縦に振る。


そんなに全力で肯定するほどのことしたかな?


もしかしたら気づいてない間に変な行動してたのかも



「なにかしたって……奈央ちゃん自分で気づいてないの?」



祐樹が驚いたように言うけど私には自覚症状がないのだから仕方がない。



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