血の記憶
自分の席に恐る恐る近づいて座る。
……い、居心地悪いんですけど。
隣の人は相変わらず不機嫌オーラをだしていて
ちょっとでも動いたりしたら噛みつかれそうだ。
そのオーラに怯えてかいつも寄ってくる女子は遠巻きに翔真をチラチラ見るだけ。
自分の教室なのにそんな居心地の悪い状態に耐えかねて
「翔真どうかしたの?」
翔真に話しかけた。
するとその冷たく尖らせていた目を私に向けてきた。
そんな冷たい目を翔真に向けられたことがなくって
固まった私に翔真が口を開いて
「さっきの………どうすんの」
なんて聞いてきたけど
さっきの?
さっきのってなんのこと?
見当がつかず首を傾げる私に翔真は大きく息を吐いて机に伏せてしまった。