血の記憶






「あ、待ってー!裕樹と翔真っ」



教室から出ようとドアの方まで歩いた俺と裕樹は名前を呼ばれ振り返った


そこには中崎の姿。


肩までの茶色の髪を揺らしながらこちらに駆け寄ってくる。


中崎は中学のとき裕樹と一緒に毎日話しかけてくれた良い奴だ。



「あれ今日奈央ちゃんは?いつも途中まで一緒に帰ってたよね?」


「うーん、それがね奈央今日は用事があって遅くなるから先に帰って欲しいって」



会話に奈央の名前がでてきて思わず聞き耳をたてる。


中崎の言葉に少し嫌な予感がした。


でもそんなのはすぐ消えてまたみんなで歩きだす。



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