血の記憶
次に聞こえてきたのは奈央ではなく知らない男の声。
そいつの声は楽しそうに弾んでいて不快感を覚え眉をひそめた。
誰だよ、こいつ………。
ってかこれってどういう
《そうね、校舎裏からわざわざこの倉庫まで引きずってきたんだもの。人に見られてはまずいこと、そうでしょ?》
強がっているようにも聞こえる奈央の声
引きずられた?
それって結構やばいだろっ…
奈央を探そうと慌てて携帯から耳を離したときだった。
「翔真さっきから誰と電話してんのー?」
……っの馬鹿!
いつの間にか近くに来ていた裕樹が言った一言。