血の記憶
昔の話
「ふざけんなよっ」
「いっ……」
携帯を隠し持っていた左手を壁に強く押し付けられその痛さに思わず呻く。
この状況、一言で言うなら絶体絶命。
携帯はさっきの衝撃で床に落ち手は両腕掴まれ身動きができない。
足を動かそうと思ったけどもう限界みたいだ――――。
今までなんとか強がっていたけど今はその強がりなんて関係ないほど震えていて
ちゃんと立てているのが不思議なぐらい。