血の記憶
「高橋くん久しぶりに話したけど全然変わってないねー」
「そんな短い間に変わらないよ、……でも香坂は変わったね」
変わった?私が?
どこか変わったかな?大人っぽくなったとか?
そんな私に高橋くんが言ったのは私が考えてるのと全く違った。
「前より笑わなくなったよ」
高橋くんの真剣な表情に一気に現実に引き戻された。
あぁ、どうしよう。
二人で並んで歩いてるところを見られたら、二人で話しているところを見られたら。
二人で笑いあっていたところを見られていたら―――――。