血の記憶
以前の私だったら頬を染めて喜んだことだろう。
今は絶望しか感じられない
その日から一日一回のキスが当たり前になった。
亮くんの部屋に入って名前を呼ばれたらそれが合図だった。
その日も歯を食い縛って義務的に終わらせた
終わった安堵感から短く息を吐くとまた口が重ねられた。
「んっ…!」
突然の出来事に思わず声が漏れた。
息を止めそれが過ぎ去るのを待つが明らかいつもより長い。
嫌だ
自制が効くまえに腕が動いて亮くんとの距離を空けようと身体と身体の間で腕を突っぱねた。