血の記憶
その必死の拒絶を意図も簡単に片手で押さえつけられた。
「…っや!」
「うるさい、奈央」
頭を振って拒否しようとした私の耳元での亮くんの低い声に金縛りにあったかのように身体の動きがとまる。
再び重ねられたそれ
「っ!」
目の前に唇から血を垂らしている亮くんの姿。
次の瞬間、唇を割って入ってきた舌に我慢できなかった私を呪うこととなった
「ふざけんな!」
怒りに震えた怒号が飛んできたかと思うと髪の毛を捕まれ無理やり顔を上にあげられた。
「いたっ!」
「だまれ、俺の言うこと聞いてればいいんだよ!」