血の記憶
「…っ、ゃ」
割って入ってきた舌に嫌悪感しか感じない。
それなのに亮の舌は段々と激しくなっていった。
「はっ…ん、」
激しく絡まる舌の合間、吐き気を堪えていると声が出る。
それを感じていると勘違いしているのか、亮の舌は激しくなる一方だった。
突き飛ばさないように、突き飛ばさないように、強くシーツを握った手は痺れたように感覚がなくなっていた。
不意に亮の手が服の裾から入ってきた。
ぞわりと一気に悪寒が背筋を駆け上る。
「触んないで!」