血の記憶
「あなたも席につかないの?」
沈黙を破ったのは私。
だって耐えきれなかったの。
なにを考えているのか全く分からないから。
「奈央ってさ、全然笑わないよね」
私の質問を無視して発した言葉。
今そんなことどうでもいいから椅子に座ってよ。
「それはどうもありがとう。いいから早く席についたら?」
先生がさっきから私たちの方を軽く睨んでるから。
お礼を言った私に変な顔をしながら私の隣の空いている席に腰を下ろす。