血の記憶
「……なんで?」
「別になんとなくだけど」
やめてほしい。
なんとなくで私を振り回すの。
あなたの気まぐれで私、無駄な体力を使ったじゃない。
一瞬私の過去を全て知ってるのかと思ったわ。
「なんでそんなに笑わないの?」
そうやってあなたは私の心の中へ土足で入ってきた。
あなたが何かを言う度に私の心は嵐の様に荒れ狂う。
それまで私の心は静かだったのに。
あなたは変な魔法を使って簡単に私を揺さぶる。