血の記憶
「話してみたら楽になるかもしれない」
その言葉に翔真は首を横に振る。
「俺、別に楽になろうとか考えてない。」
「だったら、せめて涙を流さなくてもすむようにはするわ。」
言いながら戸惑う。
なんで私こんなことを言ってるの?
あぁ、あなたがあまりにも私に似てるから。
なにかを諦めてるようなそんな瞳が。
あなたに会ってから私は振り回されてばかり。
あなたに対しては今までのようにはいかなかったわ。