血の記憶






そこにいたのは翔真。


まだ私には気づいてない様子で俯きながらコンビニに入ってくる。


私は自動ドアの前で動けずにいた。


いつまでたっても動かないから不思議に思ったのだろう。


私の方に向けた顔が固まった。



「え、な………」



なにか言いかけた口を閉じ、翔真はそのまま私の前から立ち去った。


後に残された私の選択は一つ。


私は翔真の背中を追いかけた。



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