血の記憶






「ちょっと、なにその態度」



腕を引っ張りながら言った自分の言葉に後悔する。


バカ、私。


昨日関わらないって決めたばっかりなのに。


しかもなんで喧嘩腰なの?


これじゃ翔真も怒ってまともに話せないじゃない。



「別にいいだろ」



そう言って私の手を振り払った翔真の声は私の予想通り怒りを含んでて。


振り払われた私の手はもう一度掴むことなく、力なく落ちた。


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