血の記憶






そうよね、ほっとけばいいのよ。


本人だってそう言ってるじゃない。


私は誰とも関わらず静かに過ごせれば良いんだから。


学校と逆の方向に歩いていく翔真の背中から目を反らすように学校へと足を運ぶ。


空の色は一段と灰色が濃くなっていた。


これは雨が降るかも。


天を仰ぎそんなことを考える。


そんな私の手には傘はない。


だって必要ないでしょ?


私の心は渇いているの。


傘なんかさしてたら干からびてしまうわ。


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