血の記憶
「翔真なら……」
祐樹に今朝のことを言おうか迷う。
でもこれを言ったら昨日のことも話さないといけなくなるし。
「奈央ちゃん、なにか知ってるの?」
怪訝そうな顔の祐樹にどうしようかと迷っていた時だった。
「おっはよー!」
元気な可愛らしい声が聞こえ祐樹の肩にポンッと手が乗る。
「あぁ、香奈おはよ。今日は来たの?」
「何よ、それ!失礼じゃない?昨日は風邪引いてたのっ」
プクーッと可愛く頬を膨らました子は香奈と言うらしい。