サクラドロップス-1998-
「ね、少し身長、伸びた?昨日より、高いみたいヨ」
つまらない事を、考えて
ボクが視線を下げようとしていた時に、キミの悪戯なコトバ。
ボクは一度、先刻までの思考をアタマの隅においやって
「はは。やっと来たか、第二次成長期。って言うか、遅いって話だよネ」
と、言って、笑って見せる。
「あと一年もしたら、アタシが背伸びしても、敵わないかもネ?」
そう言うキミが、近付いて
コツン、と・・・
いつの間にか、さらに人影の少なくなった浜辺で
ボクと、キミの
同じ体温の、オデコが、ぶつかる。