サクラドロップス-1998-

「・・・どうかな」


そう言って

何も、感じてない、振りをして

キミと、距離を、とって。


「でも実は案外、これ位の身長も気に入ってたりして」


と、続けて

キミから受け取ったタオルの砂をはらって、某スポーツ店のビニールバックの中に、それを入れて肩にかけた。


そして


『どうして?』


と、立ち止まったまま尋ねるキミを置いて

ボクは先に歩き出した。


『・・・どうしてよ?』


不思議そうな顔をして追ってきたキミを笑顔で誤魔化して

唇に乗せられないコトバは、ココロの奥へとしまい込む。




------だって、言えない。



< 12 / 36 >

この作品をシェア

pagetop