サクラドロップス-1998-
「・・・どうかな」
そう言って
何も、感じてない、振りをして
キミと、距離を、とって。
「でも実は案外、これ位の身長も気に入ってたりして」
と、続けて
キミから受け取ったタオルの砂をはらって、某スポーツ店のビニールバックの中に、それを入れて肩にかけた。
そして
『どうして?』
と、立ち止まったまま尋ねるキミを置いて
ボクは先に歩き出した。
『・・・どうしてよ?』
不思議そうな顔をして追ってきたキミを笑顔で誤魔化して
唇に乗せられないコトバは、ココロの奥へとしまい込む。
------だって、言えない。