サクラドロップス-1998-
「ゴメン。夕陽が眩し過ぎて・・・一瞬、姿が見えなかった」
「なーんだ。アタシが眩しくて見えないのかと思ったのに」
クスクスと、キミは嬉しそうに笑って。
ボクの手を握ったままで、歩き出す。
そして、つまらない話がだいすきなボク達は
つまらない話をしながら
そのまま、手をつないで。
当たり前のように、同じ場所を目指して
てくてくとのんびりとした歩調で
歩く・・・歩く。
そうだ・・・別に急ぐ事はない。
まだ、今日という『一日』は、あと半日も、あるのだから。