サクラドロップス-1998-
『今』は『今』で
『未来』が『未来』で、ある内に。
「だいぶ、ほころんでるね?コッチの方があったかいのかしらネ?」
口に出す事なく同じ方角を目指して
着いた、バス停の脇。
来る時は、はしゃいで気付かなかった桜の木を見て、ベンチに座りながらキミが笑う。
確かに部活で通う高校の桜並木の蕾よりも、まるくふくらんでいるように見える。
口に入れたら甘い味がしそうな位に
ほのかな香りまでまとっている。