サクラドロップス-1998-

「もう、水、冷た過ぎるし!」


『(ついたのも夕方だし)入るのはやめておいたら?』


と・・・ボクは一応、止めたんだけどネ?


それでも、そんなボクの制止を振り切り


『せっかく海に来たのに海水に触れないなんてアリエナイから』


と、ポジィティヴとも無謀ともとれるセリフを言って


『アタシ1人でもつかってくるもん』


ミュールをボクに預け、スカートを膝上まで捲り上げたのも、キミの方だしネ。


なんて


そんな事を思いつつも

海水に濡れて砂のついた素足で歩いてくるキミに、ボクはふかふかのタオルを渡す。


ここ最近のキミのお気に入りの

柔軟材は、まだ淡い春の香り。





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