SMIWWER
start…


桜の花も散り若葉が伸びをする


爽やかな風が吹く


部活動見学の期間は5月上旬まで


あと数日しかない


瑞波は今だ部活を決められずにいた


同じようにまだ入部していない人もいるが大半は入部を済ませ総体を目指し練習を始めている


静香はあのあと入部届けを出し
クラスの中でも早々に入部をした


結構ハードな練習内容らしく
放課後になると忙しく教室を出て行く


クラスの雰囲気もだいぶ落ち着いてきてお昼時には楽し気な声が交わされる


「ね!ね!
瑞波とマリーはまだ部活決めてないんだよね?」


購買のコロッケパンを頬張りながら佳奈は食いつき気味に聞いてきた


静香はお弁当の中の小さいナポリタンをクルクル巻くのに必死だ


入学式以来
瑞波 静香 佳奈 まり
の4人でお昼を食べている


瑞波は まぁね、と舌を出して笑った


「そうなんだよ…どーしよー!
まさかマネさんの競争率があんなに高いなんて…聞いてないよ!」


この高校は野球の強豪校で
マネージャーの座は女子の圧倒的人気を集めていた


枠が少ししかないため テストをして
人数を絞るらしい


そのマネージャー争いにまりは負けたのだ


「ここの野球部のマネさんになることに憧れて受験したのに…!」


まりは お弁当のブロッコリーを
乱暴にフォークで刺した


「決まってないならさ〜
ハンドボール部入ってよー!
部員が少なくてさぁー」


まだ口の中のコロッケパンを飲みこみきらないまま佳奈が勧誘をする


佳奈はハンドボール部に入部したらしい


ハンドボールは初心者だが中学時代はソフトボールをしていたそうだ


「えぇ、体育会系ツライじゃん」


ブロッコリーを頬張りながらまりは不満気だ


「んー、考えとくよ」


瑞波はそう言ってヘラヘラと笑い
その話を終わらせることにした


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