SMIWWER
中学2年生も終わりが近づく12月
瑞波はスイミングクラブをサボる日が増えていた
勉強が分からない
来年は受験なのに
このままじゃどこも受からない
水泳も結果がついてこない
タイムが上がらない
ツライ練習をやってるのに
自分より下にいた子が自分を抜いてゆく
勉強も水泳も
苦しい
逃げたい
全て投げ出したい
なにもやる気が起こらなくなっていた
父親はクラブをサボると怒る
だからなにかと理由をつけて行かない日が続いた
中学の部活は水泳部に入っていたが
個人的にクラブに通っているので
学校では部活をやらずにクラブで泳ぐ毎日だった
午後から冷たい雨が降り出したある日
瑞波はいつものように家へ帰ろうと
昇降口を出た
「傘…ないや」
サラサラと冷たい雨
傘がなくてもこれくらいなら帰れる
他の子が友達と部活に急ぐ中
傘をささずに歩きはじめた