君が嫌いで…好きでした

怖いと思ったのはきっと次に言われる言葉が何となく想像ついていたから

聞いたら私は……



湊「なんでかながお前に構うのかは知らねぇけど俺知ってんだよ?
お前最近かなの事よく見てるだろ

お前人を殺す力があるんだろ?
その力でかなを殺すのが目的だったり?」


ドクンッと心臓が止まったような感覚だった


私の噂………


人を殺す力……
七瀬奏叶を殺そうとしてる…?


噂なんていい加減なもの
だけど人殺しと言われるまで大きく膨らんでしまった私の噂


全身に力が入る

私はそんなつもりじゃない
でも周りから見たらそう見えるんだ



湊「黙ってるって事は本当?
うわー怖い女だな

だから誰もあんたに近づかないんだよ
かなもかなだよ。なんでこんな奴と……」



千菜「…うるさい!」




廊下に私の声が響いた



なんで…なんでこんな何も知らないやつにこんな事言われなきゃいけないの

私が今までどんな思いで……!



千菜「なんで…なんで何も知らない貴方にそんな事言われなきゃいけないの

人を殺す力がある?
私の意思で殺そうとしてる?
ふざけないで

私が今までどんな思いで過ごして来たと思ってるの…
何も知らないくせに…っ勝手な事言わないで!」


死んでほしくなかった
守りたかった
ずっと側で笑ってて欲しかった


それなのに……っ


私の瞳から涙が溢れた


ガヤガヤと周りが騒がしくなる


今まで我慢していたものが涙に変わって
次から次へと流れていく



湊「…おい……」



奏叶「湊!?千菜!?
なんだよこれ…どうゆうことだよ!」



湊「かな!?なんで居るんだよ!」



奏叶「千菜…泣いてんの?
は…?なんだよこれ
湊、お前が千菜を泣かせたの?」



湊「ちょっ…まてまて
俺は泣かしてねぇよ
そいつが勝手に泣き出しただけで…

だから怒んなよ」



奏叶「お前…千菜に何言ったんだよ!」



七瀬奏叶とその人は少し口論になっていた



私は持っていたコートを七瀬奏叶に向かって投げつけた



奏叶「千菜…!?」




千菜「…今までの私がおかしかったの
私に話しかけてくれる人なんて珍しいから相手してあげてたの…

もう…疲れた

もう私に関わらないで!」




私はその場がら逃げるように走った

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