君が嫌いで…好きでした
学校に戻ってきてからも凜ちゃんが無事で安心した反面…ずっと消えない不安と私は戦っていた
奏叶「千菜ってば!」
千菜「…奏叶…?」
奏叶「ずっと呼んでるのに気付かないんだもんな…凜さんの事があってからずっとボッーとしてるけど大丈夫?
何か思ってる事があるなら1人で抱えてないで俺にも話して」
…奏叶にはやっぱりお見通しなんだね
千菜「…怖いの…また誰かが居なくなっちゃうんじゃないかって…」
奏叶「…凜さんは無事だったから大丈夫だよ。きっと事故にあったって聞いて千菜まだ混乱してるんだよ
千菜にとっては辛い事だもんね」
千菜「…事故にあったって聞いた時…皆が死んでいった日の事を思い出したの…不安で怖くて…また私のせいで誰かが死んでしまうって本当に怖かった…
凜ちゃんが生きててくれて嬉しかった…でもずっと不安が消えないの」
奏叶「…何が不安?」
千菜「…奏叶達話してたよね。私と同じクラスの柊くんが怪我したって…それに鈴村先生も怪我していたし…凜ちゃんも事故に合うなんて…こんなに良くないことが続くと思う…?」
奏叶「千菜…それ自分のせいだと思ってるの?」
私は何も返せなかった
何も返せなかったのは私のどこかで全部私と関わりがあったからだと思っていた
奏叶「千菜、自分を責める必要ないよ。今日は偶然悪いことが続いただけだから…千菜のせいじゃないよ」
偶然…?偶然でこんな事が本当にあるの…?
まるであの夢のように…私と関わった人達が怪我をしていってる…
本当にこれは偶然なの…?
奏叶「千菜俺は絶対千菜の側に居るから
あんまり考えすぎるとまた倒れるよ」
奏叶は不安な私を優しく励まそうとしてくれた
奏叶の側に居るって言葉が嬉しくて…どこか安心できた
奏叶「今日家に泊まっていきなよ。1人だとまた色々考え込んじゃうでしょ?」
千菜「うん…ありがとう奏叶…」
奏叶「帰りに凜さんのお店行こう。湊に鞄も届けなきゃいけないし凜さんにも会いたいでしょ?」
千菜「うん…」
私達は手を繋いで帰り道を歩いた
気をまぎらわす為なんだろうけど奏叶はずっと話しかけてくれていた
凜ちゃんのお店によると松葉杖をつきながらも働いている凜ちゃんの姿があった
それでも出来ることが減った凜ちゃんをフォローするように湊が一生懸命サポートしていた
私達は少し話して店を後にした
凜ちゃんとちゃんと話が出来たおかげか不安がほとんどなくなった気がする
奏叶が言っていたようにただ悪い偶然が重なっただけかもしれない
深く考えなくても良かったのかもしれない
これ以上あんな悲劇は起こらないはず…
だから…きっと大丈夫…
そして私は奏叶の家にお邪魔して安心して眠りに着くことが出来た
―――…だけど悲劇は幕を開けたに過ぎなかった