君が嫌いで…好きでした
金曜日の昼休み
昨日の夜の雨が嘘のように晴れていた
中庭で3人で一緒にご飯を食べていたと思ったのに……
千菜「もう…無理…っ…」
湊「なんだよもうバテたのか?」
奏叶「千菜大丈夫?」
何故か体育館でバスケをしていたりする
実は"昨日の2人のバスケ凄かったね"って言ったら湊が練習すれば私も出来るようになるって言ってこうしてバスケの練習をすることになったんだけど…
普段体育はほとんど出てないし運動だって大してしたことがない私はすぐに息が上がってしまった
前に湊がシュートを教えてくれた時は優しかったのに今日は軽いゲーム感覚でもう容赦なし
ボールを奪うことすら出来ない始末
なんてゆうか…湊ずるい
私が初心者って知ってるのにまるで意地悪
猫が猫じゃらしで遊ばれてるような感じ
運動神経抜群な湊からボールを奪える分けないじゃない…
千菜「もう私見てるから…2人で楽しんで…」
湊「じゃ、久しぶりに勝負すっか?」
奏叶「先に3点入れた方の勝ちな♪」
奏叶も湊も…夢中だな…
私の事なんて見えてない。それだけ好きなんだと見ていて感じた
ん…なんだか眠くなってきた…
―――…ポスッ
湊「やった俺の勝ち!って事でサイダー1本な!」
奏叶「はいはい、分かったよ。千菜ー?行くよ…って寝てる?」
湊「まじか…よくこんな所で寝られるな
おい、起きろ。授業遅れる」
千菜「…あ、湊…勝負終わったの…?」
湊「おう、俺の勝ち」
奏叶「次は負けないし」
…やっぱりこの2人が居ると落ち着く
明日からのお休みが憎いな
もっと2人と一緒に居たい
まだ昼休みなのにそんな事を思っていた
だけど明日がまさか忘れられない1日になるなんて予想もしてなかった
――土曜日、朝起きると少し体が痛かった
きっと昨日慣れないバスケをしたから筋肉痛
大した事はないけど…
カーテンを開けて窓の外に出るとまだ起きたばかりの私には太陽の光がとても眩しく感じた
何かが起こりそうないい天気…
着替えたらお散歩でも行ってこようかな…
軽く軽食を済ませて着替えて玄関を出て歩き始めた
そういえば前に奏叶に会いたいと思いながら外出たら本当に会えた事があったな…
また会えるかな…無意識に辺りを見回して奏叶を探している自分が居る
あぁいつから私はこんなに奏叶で一杯になってたんだろう…
その時ポケットに入ってたケータイが鳴り出した
ついこの間もこんな事があった
奏叶の事を考えてたら奏叶から電話がかかってきて…
また奏叶からなのかな
そう思いながらケータイを手に取るとディスプレイには奏叶ではなく湊の名前が表示されていた
湊から…?珍しい…
電話に出ると湊はとても慌てていた様子だった
そして信じられない事を告げられた
千菜「湊?どうしたの?」
湊「千菜!?お前今どこに居る!?」
千菜「え?えっと…**公園の近くだけど…」
湊「**公園だな!そこに居ろ!今から迎えにいく!」
千菜「え…湊一体どうしたの」
湊「かなが事故にあって病院に運ばれたんだよ!」
――――…え?…
湊の言葉に背筋が凍っていくのが分かった