君が嫌いで…好きでした
未来

結局私は後悔してばかり
逃げてばかりだった
こんなに弱い自分が大嫌い


座り込んで泣いている私の膝の上に何かが乗ってきた
何…?涙でにじんでよく見えない
涙をぬぐって膝の上を見てみるとびっくりした


千菜「…チョコ?」



私が名前を呼ぶとチョコは私を見てきゅ?と鳴いた



「千菜」



聞こえてきた懐かしい私の名前を呼ぶ声に私は顔を上げた



千菜「……!?」



息がつまった
止まったはずの涙が溢れて視界が歪んでいく



「千菜」



千菜「お父さん…!」



「千菜」



千菜「お母さん…!」



「千菜」



千菜「おじいちゃん…!」



「千菜ちゃん」



千菜「おばあちゃん…!」



「久しぶり千菜」



千菜「楓…!」



「千菜会いたかった」



千菜「真琴…!」



「元気そうだな東」



千菜「伊藤先生…!」



そこには私の大切な人達が居て優しく笑いかけてくれた


ずっと会いたくて…苦しくて…
だけどやっと会えた



嬉しくてそっちに行こうとした時


楓「千菜、それ以上こっちに来ちゃいけない」


楓の言葉で足が反射的に止まった


真琴「チョコこっちに戻ってこいよ」


真琴が言うと私の手の上に居たチョコは飛び降りて真琴の方に行ってしまった



千菜「私もそっちに行きたい」



楓「だめ。来ちゃだめだ」



千菜「どうして…?私も死んだんだよ?」



楓「違う。千菜はまだ生きてるんだ」



楓の言葉に戸惑いが生まれた


< 133 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop