君が嫌いで…好きでした
私の噂が流れ始めたのはこの頃からだった
そのせいで学校では徐々に友達も怖がって離れていった
両親が死んで…祖父母も死んでたった1人の兄妹の楓も死んで…友達も離れていき…
今…側に居てくれるのは真琴だけだった
真琴「やっぱり噂の事気にしてんのか
誰だか知らねぇけどありもしないこと言いやがって…」
やっぱり…真琴も噂聞いてたんだ
私はそっと真琴の手を握った
真琴「…千菜?」
真琴の手は温かくて大好きだった
千菜「真琴…私怖いの…噂が本当なんじゃないかって…」
真琴「千菜違う。家族が亡くなったのはお前のせいじゃなし、あんな噂気にすることない」
千菜「でも怖いの
いつか真琴もそうなっちゃうんじゃないかって怖くて仕方ないの…」
いつか真琴も私の前から消えちゃうんじゃないかって不安で不安で仕方なかった…
泣いている私を真琴は力強く抱き締めてくれた
真琴「…なら俺が皆に証明する
噂は嘘だったんだって証明してやる」
千菜「真琴……?」
真琴「俺は千菜を1人にはしないよ」
千菜「うん…ありがとう…」
だけど―――――…
キキーッ…ドン!!……
千菜「真琴っ!!」
私は静かに目を開けた
いつもと変わらない部屋
チョコがエサを頂戴とねだっていた
千菜「…ごめんチョコ。今あげるから待っててね」
ベッドから降りてチョコにエサをあげた
結局真琴も死んでしまった
私の目の前で…
お葬式の時に最後に触れた真琴の手は大好きだったあの頃とは違いとても冷たかった…
そして私は本当に1人になった
噂もあっという間に広がり関わろうとする人も居なくなった
辛くて…苦しかった…
でも…それでもいいと思えた
これ以上私に関わって誰かがまた死ぬところをもう見たくは無かったから
1人でもいい
どんな酷い言葉を浴びせられようとももう誰も私に関わらないで…
もう誰も死なないで…
そう強く願った…
だけど…今私の名前を呼んでくれる人が居る
七瀬奏叶………
どんなに突き放してもまた笑顔で話しかけてくる
どうしてあんな事が言えるんだろう
誰にも話した事のない私の気持ちを理解してくれて真っ直ぐに好きだと伝えてくる
それにさっきの言葉…
七瀬奏叶が言うと本当に大丈夫な気がして不思議
七瀬奏叶を信じてみたくなる…
だけど駄目…私のその甘い気持ちがまた…
でも気づいてしまった
私は少しずつ七瀬奏叶に惹かれている
ねえ…私はどうしたらいいの?
誰か教えて…