君が嫌いで…好きでした


千菜「ごちそうさまでした」


お腹いっぱい…
うどんなんて久しぶりに食べた
うどんもスムージーもすごく美味しかった


湊「うまかった~かなのスムージーも中々いけたわ」


千菜「湊、奏叶ありがとう…」


湊・奏叶「どういたしまして」


食べ終わった食器を片付けようとすると奏叶が


奏叶「千菜は座ってて、俺がやるから」



千菜「え、でも…」


奏叶「いいから、ね?」



……どうやら私は奏叶の笑顔に弱い


奏叶は食器を下げてキッチンで洗ってくれてる


湊「たく、お節介なやつ」


湊は溜め息混じりでそう言った


湊「あいつ昔から世話好きなんだよ
俺が風邪引いた時も治るまで毎日来たし身の回りのこと全部やろうとするし

でもそんな世話好き奏叶くんの面白い話があんだけど、ほら写真」


湊がケータイを出して見せてくれたのが少し幼そうな可愛い女の子の写真



千菜「これは…?」


湊「聞いて驚くな?
中学の時に撮ったかなの女装写真♪」


え…奏叶…?


奏叶「湊!!なに千菜に見せてんだよ!//
てかその写真まだ持ってたのかよ!消せ!!」



キッチンから慌てた様子で出てきた奏叶は湊のケータイを奪おうと必死


湊「驚いただろ東。かなにこんな趣味があったなんて♪」


奏叶「なに言ってんだよ!
ちょっと待って千菜!誤解だから!
中学ん時無理矢理やらされただけで決してそんな趣味ないから!」


別に聞いてないのに慌てて説明する奏叶…
そんな奏叶が珍しくて少し面白かった



千菜「……すごく…可愛かったよ」



奏叶「………ッ!?」ガーン…



湊「はははは!!良かったな奏叶ちゃん!」


奏叶「お前のせいだろ!湊!」


ぎゃぁぎゃぁと喧嘩してるのか仲がいいのか…騒がしい…


いつも1人で静かな時間を過ごしてたけど…たまにはこんな騒がしい夜もいいのかな…


その後も湊は私に何枚か奏叶の写真を見せてくれた

奏叶は恥ずかしそうに顔を赤くして湊はそんな奏叶を見て面白がっていた


写真の中の今より少し幼い奏叶がなんだか愛おしく感じた



湊「あ、もうこんな時間かよ。そろそろ帰るか」


千菜「ありがとう…明日は学校行くから…」



湊「おう。ほらかな帰ろうぜ」



鞄を持って立ち上がり湊は声をかけるけど奏叶は


奏叶「え?」


湊「え?ってなんだよ
まさかまた泊まるつもりじゃないだろうな」


奏叶「そうしようかと…」


湊「いやいやいや駄目
そんな事俺が許さねえ

ほらさっさと帰るぞ」


奏叶「え、ちょっ…なんでお前が決めるんだよっ」


湊「いいから」


奏叶「ちょっ…千菜!お休み!」



バタン…


……最後まで慌ただしくて嵐みたいだった


奏叶…今日も泊まろうとしてたんだ…
少し…奏叶に心配かけ過ぎかな…


ずっと…一人で居ることに慣れてるから…どうしていいか分からないことがいっぱいあって…
その度に奏叶がフォローしてくれてる気がする


…今は1人じゃない
奏叶と湊が居てくれる


色んな事に甘えてちゃ駄目
少しでも…前に進めるように…


………それにしてもあの奏叶の女装の写真びっくりするくらい可愛くて似合ってた



明日から学校…
奏叶と付き合う様になってからかな
少しでも学校が楽しいと思える様になったのは…

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