君が嫌いで…好きでした


次の日


ピピピピ



36度6分…
すっかり熱下がって良くなった


奏叶と湊のおかげだな…



千菜「チョコ行ってきます」




学校までの道を歩いていく

今日は…すごく天気がいい…
雪が溶け春が近づいてる…




学校に入るとやっぱり奏叶と湊以外の人達は変わらず私の噂を呟いては何かを話している



そんなのすぐに変わらないけど…やっぱり悲しい



でも今更気にしちゃ駄目…



教室に入って自分の席に座る
そしていつものように本を読み始めた
そしてしばらくすると登校してきた湊が声をかけてきた



湊「おす。やっと復活だな」



千菜「湊、おはよう…お陰さまでもう元気だよ」



湊「ふーん…良かったじゃん」



少し微笑んだ湊は私の前の席に座った



湊「てか、かなは?まだ来ねぇの?」



千菜「あ…さっきメール来て…
今日は用事かあるから1日休むって…」



湊「用事?あ――…そっか、今日あの日か」



千菜「あの日…?」


湊何か知ってるのかな…



湊「…お前かなから何も聞いてねぇの?」




湊は少し驚いたように私に聞いてきた




千菜「え…う、うん…」



湊「ふーん…かなの弟知ってる?」



千菜「冬馬くん…?奏叶が前に話してくれて…」



でも冬馬くんは…



湊「今日が命日なんだよ
毎年命日には1人でも墓参りに行ってんだ」


今日が冬馬くんの命日…?
用事って冬馬くんの墓参りだったんだ…



湊「そんなしけた面してんなよ
人の心配する前にお前は自分の事心配しろよ」


自分の事……?どうゆうことだろう…


湊「なんだ今日かな居ないのか…
ま、今日は2人だけどよろしく」



千菜「あ、うん…」


なんか…くすぐったいような感覚
こんな一緒に居るのが当たり前のような…些細なことが嬉しいと思えるなんて…


だけどその時ふと聞こえてきた


「最近湊付き合い悪い癖になんで東さんと一緒に居るの?」


クラスの人達が私達を見て口々に何かを言っていた



嬉しくて忘れていた
私は今更どうでもいい

だけど私と一緒に居ることで湊まで悪く言われてしまう…




湊「どうした?また具合悪いのか?」




千菜「…湊…私の所に居ないで皆の所に行ってきなよ
私と居たら湊まで悪く言われるよ…
私は1人でも大丈夫だから…」



私がそう言うとなぜか湊は小さく溜め息をついた



湊「…なんだそれ
だからお前は人の事より自分の事心配しろって
それに俺が誰と居るかなんて俺が決める
俺は居たい奴と居るよ」




少し不機嫌そうに湊は言ったけど…
その一言にすごく救われた気がした




湊の第一印象はすごく嫌な人だったけど
今は不器用だけど本当は優しい人って分かった



やっぱり奏叶の友達なんだなぁ…

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