君が嫌いで…好きでした


長い長い授業をひたすら受ける

たまに窓の外を見てはぼんやりと考える



奏叶は今、どこに居るのかな
御参り無事に出来たのかな…



考えるのは奏叶の事
一緒に居ないだけで色んな不安が過って怖くなって…大丈夫って言い聞かせる繰り返し



先生「じゃぁ…今日は2日だから出席番号2番、東…あ、東か…っ
ならいいっ…あ、と…飯田!この問題解いてみろ!」





さすがに…態度があからさまで私と目を合わせないようにしてる…


学校の先生までこの様子
伊藤先生の事があってから尚更先生達も私の半信半疑だった噂を信じ始めた



仕方ないからもう一度空を眺めた
吸い込まれそうなくらい青い空をただ眺めていた




午前の最後の授業は体育だった
しかも内容は持久走で他の人達はブーブーと文句を言っていた



私は1人ホッとしていた
誰かと一緒にするチームプレーより1人で出来る持久走の方が良い


だってチームプレーに私は入れて貰えないから…



それに走ってる間は空とか周りの景色を楽しめるからわりと好き…




そして授業が終わり私は1人教室に戻る途中、廊下で湊と出会った



制服のままの湊…
体育の時間も居なかったしたぶん…サボり…



湊「お、終わった?」




千菜「…うん…湊、サボり…?」




湊「まぁ…持久走とかダルかったし

てか、お前大丈夫なん?」




千菜「……え…?」





湊「お前まだ風邪治ったばっかだし、体も弱いんだろ?」




あ…そっか…
前に湊の前で貧血起こして倒れたことあったんだっけ…




千菜「…大丈夫……くしゅんっ…」




大丈夫と言ったそばからくしゃみが出ちゃった…
少し汗かいたせいかな…早く着替えなきゃ…




湊「…何が大丈夫だよ、ほら」




心配してくれたのか湊はブレザーを私にかけてくれた




その湊の行動には私も少し驚いた




千菜「ぇ、いいよ。湊が風邪引く…」




湊「いいんだよ。俺暑がりだし」




千菜「でも…」



湊「俺がいいっつってんだろ」



湊は…奏叶とは違った意味で強引…
でも…なんか暖かいな…こういうの…


机で寝ちゃった時、楓もかけてくれたっけ…





湊「んな事より早く着替えて来いよ」




千菜「ぇ…?」





湊「昼、食うんだろ?
先中庭行って待ってんから早く来いよバーカ」






……これはまた…すごい展開になった…
湊から誘ってくるなんて…



…………とりあえず着替えよう…






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