君が嫌いで…好きでした


私は着替えて少し急ぎ足で中庭に向かった



でも…意外
湊はてっきり他の人達と食べると思ってたから…



私の生活に少しずつ湊と奏叶が加わっていく
1人では見えなかった世界が見えてくる

真っ白だった世界が今は眩しいくらいカラフルに見える



中庭に着くと湊は既にもくもくと購買で買ったパンを食べていた



私に気が付くと遅いとだけ言ってまたパンを食べた




千菜「湊…ブレザー…ありがとう。これお礼」



私はブレザーとさっき買ったホットピーチを湊に渡した


だけど湊はしかめっ面でホットピーチを眺めてた



湊「……なんでこれ買った?」




千菜「ぇ…前にこれが好きだって…奏叶に聞いて…」




湊「ふーん…サンキュー」




とりあえず私もお弁当を食べようと思って湊の向かい側に座った




湊「今日は弁当なんだ」




千菜「う、うん…」



ふと昨日の湊を思い出す
昨日はあんなに楽しそうだったのになんか機嫌悪いのかな…

学校に居る湊は楽しそうで笑ってるだけで人が集まるような人なのに…
私といるからなのかな…



千菜「……湊…機嫌悪い…?」




何となく聞くのが怖かったけど思いきって聞いてみた





湊「は?なんで?」




千菜「… ずっと怖い顔してる」




そう言うと手で口元を覆い隠して目をそらした




その仕草で心がズンと重くなった

そうだよね…
湊は最初私の事嫌いだったし…



湊「ちょっ…なに落ちこんでんの
勝手に誤解すんなって」




千菜「誤解……?」




私が聞き返すと湊は少し顔を赤らめた


そして自分のケータイを私に手渡してきた


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