君が嫌いで…好きでした


手渡されたケータイをとりあえず受け取り画面を見ると1つのメールが開かれていた


差出人は奏叶…?
内容には千菜をよろしく(^o^)vって書かれていた



時間を見ると10時27分
授業中に来てたみたい…



湊「かなの願いなら断るなんかあり得ねぇけど…よく考えたら今までかなが居たのに急にお前と2人きりとか…っ」




湊の顔が…段々赤くなってく…




湊「どうしていいか分かんねぇ…っ
いきなりお前と2人きりとか何話せばいいかも分かんねぇし
てかその前に俺はお前に酷いこといっぱい言ったし…」



湊…そんな事気にしてたんだ…
確かに酷いこと沢山言われたけど…




千菜「…今更…気にしてないよ…
だから…湊も気にしない…で…」



酷いことも言われたけどその分沢山助けてもらったから…




湊「…お前ってお人好しだな
そんなんじゃ騙されんぞ」




千菜「ぇ…?」





湊「まぁいいや
てか1つ聞いていい?

前から気になってたんだけどさお前のあの噂って本当なんだ?」




心臓が止まるかと思った
静かな中庭で昼休みの賑やかな声だけが聞こえてくる



湊「半分誰かが嫌がらせに流したデマかとも思ってたけど…お前1人暮らしだし」




千菜「……本当だよ
家族も…当時付き合っていた人も皆…」


それ以上は言葉が出なかった

胸が苦しくて張り裂けそうなくらい思い出したくない光景…



千菜「…………っ…」




私の変化に気付いた湊は慌てて謝ってきた




湊「悪い…!嫌なこと思い出させちまった!?
ごめん!俺が悪かったから、もう聞かねぇから…だから泣くなよ!」





どうやら湊はうつ向いて黙っている私を見て泣いていると勘違いしたらしい…



湊「あ、そうだこれやる!
俺がこの前ガチャポンで取った幻とも言われるマスコット"ヒデトラ君"!!」



湊が差し出したのはヒトデの形をした虎…?みたいなもの



それを見て思ったのが…



千菜「…変なの……てか…要らない…」




ヒトデの形の虎ってまず分からないし
顔も微妙ですごく変




湊「は!?お前ヒデトラ君の良さ分かんねぇのかよ!
幻って言われるくらいすっげぇレアなんだからな!」




あの湊が目を輝かせてヒデトラ君の良さを語ってるけど…理解できない…
むしろそんな物を集めてることが意外…



千菜「…ふ、あははっ…」




思わず面白くて笑ってしまった

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