君が嫌いで…好きでした



クレーンゲームってすごく難しそうなのに…湊本当に得意なんだな…



湊「ホラよ」



取ってくれたヤンクマを湊は私に手渡してくれた



千菜「…え…?くれるの…?」




湊「は?お前が欲しいみたいだったから取ったんだよ」




千菜「お金…」




湊「いいよんなもん
飲みもんのお礼
さー次はなにする?」



なんとなく…湊が女の子にモテる理由が分かる気がする…

こんなことされれば…女の子が騒ぐのは当然だな…



奏叶もよく女の子に囲まれてる…
優しくて爽やかで…女の子がほっとかないのも分かる…


周りには…私よりも可愛い子だって居るのに…私を選んでくれたことが…今でも不思議で…少し嬉しい…




最初は本当にうっとおしくて馴れ馴れしくて大嫌いだったけど…
いつの間にか…好きになってた…




湊「おい、東?
固まってどうした?また具合悪りぃの?」




千菜「あ、…ううん…考え事…」






湊「ふーん…かなの事でも考えてたんだろ」




図星をつかれてギクッとするけど図星なので何も言えなかった





湊「図星かよ
ま、でも本当にお前とかなが付き合うとは思わなかった

でもきっと大変なのはこれからだろうな」





湊の何気なく言った一言がなぜか胸に残った


湊がそう言った理由も私がそう思った事も分からないのに…



私の心の奥にはまだ不安が渦巻いていた…




そしてその不安はいずれ思ってもみない形で私達を飲み込んでいく事をこの時の私はまだ知らずにいた







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