君が嫌いで…好きでした


東の反応に少し驚いた


いや…まさか聞いてない分けないだろ
かなの事だから東に話しててもおかしくねぇのに…


ちょっと探り入れてみるか




湊「ふーん…かなの弟知ってる?」





千菜「冬馬くん…?奏叶が前に話してくれて…」




なんだよ、やっぱり話してあんじゃん
東のこの様子だと冬馬が亡くなってる事も知ってるんだな


でも命日まで話してないのか…
かなの事だから東が不安にならないように気ぃ使ったんだろ


どんだけ東に惚れてんだよ
まぁいいか



湊「今日が命日なんだよ
毎年命日には1人でも墓参りに行ってんだ」



何を思ったか知らねぇけど東は少し不安そうにした


かなが心配すんのも分かる気がするな



湊「そんなしけた面してんなよ
人の心配する前にお前は自分の事心配しろよ」



食事偏ってたり急に倒れたり風邪引いてるし…

人の心配する事が多くて自分の事が雑なんだよ



なのにキョトーンとしてるし
それも無意識かよ…



湊「なんだ今日かな居ねぇのか
ま、今日は2人だけどよろしく」





…ん?そいや東と2人だけって…何気初めてか?


今まで何だかんだかなも居たからな…
かるーくよろしくとは言ったけどこれどうすればいいんだよ


いつも女子に囲まれるのは慣れてっけど
東みたいなタイプと2人きりとか今までねぇよ
うわ…そう考えると緊張…

でも余裕ない男と思われたくねーし



なんてぐるぐる考えてたら東がうつむいてた




湊「どうした?また具合悪いのか?」




千菜「…湊…私の所に居ないで皆の所に行ってきなよ
私と居たら湊まで悪く言われるよ…
私は1人でも大丈夫だから…」




その時に俺にも聞こえてきた
またあいつらか…
ま、俺も前まであっち側だったんだけどな


それにしても本当に人の心配ばっかだな
自分の事なんか気にしないで1人で居ることにも慣れてる見てぇだし


あーやだやだ
ごちゃごちゃ考えんの好きじゃねぇんだよ





湊「…なんだそれ
だからお前は人の事より自分の事心配しろって
それに俺が誰と居るかなんて俺が決める
俺は居たい奴と居るよ」



東の態度に少しイラついたけど言ったことは一応本音



東はさっきの暗い表情とは違い少し穏やかにに見えた


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