君が嫌いで…好きでした


あーやっと半分終わった
かなが居ないと退屈だな…


俺は購買で買ったパンを持ちながら中庭に向かっていた




「みーなと♪」




湊「綾奈(あやな)」



綾奈「これからご飯?ならうちらと一緒に食べよーよ♪」



湊「あー悪い。今日は先約ある」



綾奈「えぇー」



湊「また今度な」



綾奈「しょうがないなぁ…約束だからね!」





綾奈と別れた後、また中庭に向かって足を動かす




中庭に着くと椅子に座って東を待った
腹へった…
てかよく考えたら東を待ってることなくね?

あいつが来るまで待ってるとかカップルでもねぇのに無理無理
それはかなの役目だろ

うん、俺のがらじゃねぇし先に食べながら待ってるか


俺は袋を開けてパンを食べ始めた
それから数分してようやく東が来た




湊「遅い。待ってられなかったから先に食ってた」



千菜「湊ブレザーありがとう…これお礼」




東がブレザーと一緒に差し出したのは俺の好きなホットピーチ


…東が仮を返すのはよく分かった…でも…




湊「…なんでこれ買った?」



ホットピーチは女子に人気の飲み物
男が飲むのなんか珍しい
ましてや俺が好きな事なんて東は知らないだろ




千菜「え…前にこれが好きだって奏叶に聞いて…」





やっぱり奏叶情報かよ…
あいつ勝手に話すなよ



湊「ふーん…サンキュー」





お礼を言うと東は安心したように椅子に座った




湊「今日は弁当なんだ」



千菜「う、うん…」





へぇ…珍しい
見たところ料理は意外とできんだな



こいつの場合しないだけか






すると東は聞きにくそうに俺に話しかけてきた





千菜「…湊…機嫌悪い…?」




正直そんな事を聞かれたことに驚いた




湊「は?なんで?」




千菜「…ずっと怖い顔してるから」



やば…俺無意識に…
大体かなのせいだろ
かなに頼まれなきゃ…いや…かなに頼まれなくても俺はきっと同じことしてた…?



なんで…

1人でごちゃごちゃ考えてると東があからさまに不安そうにする




湊「ちょ…なに落ち込んでんの
勝手に誤解すんなって」




千菜「誤解…?」




あぁもう…こんなんカッコ悪すぎ…
でもこいつが誤解したままだと厄介だし…



俺は仕方なくケータイを東に見せた


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