君が嫌いで…好きでした


今日かなが東と3人で一緒に帰ろうと誘ってきた
でも正直俺、邪魔者じゃん?
それに東の事が好きだと気づいてからはなんとなくかなと東が一緒に居るところをあまり見たくないと思ったから断ろうと思った


湊「俺はいいよ。邪魔者じゃん?」


奏叶「そんな事ないし、湊がいる方が千菜も楽しそうだしさ。それにお前に聞きたいこともあるからさ」


湊「聞きたいこと?」


奏叶「うん…まぁここじゃあれだしさ。約束な。勝手に先に帰るなよ!」



改めて聞きたいことってなんだ…?
それにかなの様子いつもと違うような…いやでも普通に笑ってたし俺の気のせいか…


にしても…俺が叶わない片想いとか似合わない…
早くこの気持ちにケリつけないとかなに変な罪悪感がわくな…


そして帰り道…
東は口数は相変わらず少ないが時々少し笑うようになった
そして別にかなも普通だった


母親かってくらいお節介で東の事心配してるかなの様子を見ていて本当に東の事が好きで大事にしてんだなって思った

他の奴だったらどうなってたか分からないけど相手がかなだったらきっと東を幸せにしてくれると俺は信じていた
だから時間がたてば俺のこの気持ちも消えていくんだろうと思ってた

でもこの後俺も予想できなかったかなの一言が今の俺達の関係を壊すとは思ってなかったんだ


東を家に送り届けた後かなと下らない話をしながら歩いていた

でも東と別れてから急にかなの口数が減ったことに気づいた


湊「かな?聞いてんのか?」


奏叶「あ、ごめん…聞いてなかった」


湊「何ボーッとしてんだよ」


奏叶「…俺、湊に聞きたいことがあるんだ」


湊「あぁ、そういえばそんな事言ってたな。なんだよ聞きたいことって」


奏叶「湊、千菜の事好きだろ」


かなの予想外な言葉に動いていた足がピタリと止まった


そんな事を言われるとは思ってなかった
ましてやかながそんな事に気付いているとは思わなかった

確かに東の事は好きだ
でもそんな事かなには言えるわけない


湊「は?急に何言い出すのかと思ったら…俺が東を好きなわけないじゃん。かなの考えすぎだろ」


誤魔化すしかなかった
東がかなの事思ってるのも知ってたし何よりかながどんなにあいつの事好きか側に居た俺が一番知ってる


苦しくても辛くても俺のこの気持ちはしまっておかなきゃいかないんだ



奏叶「嘘つくなよ。お前が嘘ついてる事くらい俺には分かる」


湊「嘘なんかついてねぇよ。もうこんな話終わり」


奏叶「正直に言えよ。千菜の事どう思ってる」


湊「――…好きだって言ったら…どうすんだよ」


しんとした空気が流れた
冗談だよって笑って誤魔化そうかと思った


でもかなは予想外な言葉を俺にかけてきた



奏叶「……そっか…安心した。お前になら安心して千菜の事任せられる。千菜の事よろしくな」


はにかんだ笑みを浮かべてかなはそう言った
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