君が嫌いで…好きでした
学校―――…
奏叶「………………」
"別れよう"
昨日…千菜が別れを切り出して来たってことは湊が千菜告った…?
でも引っ掛かるのはその前の千菜の行動だよな
この間もそうだけど言葉にしない分千菜は行動で示してくる
何か意味があるんだろうけど…察してあげるのは難しい…
………いや…俺はもう関係ないのか…
フラれたわけだし…自分であの2人の幸せを願ったのに…願ったはずなのに…なんでこんなに苦しいんだ…本当は俺が…千菜を幸せにしてあげたかった
その時大あくびしながら湊が教室に入ってきた
でもその隣に千菜は居なかった
……千菜が居ない?
どうしてだろ…まだ付き合ってないにしろいつもならもう来てる時間なのに…
湊(……千菜が居ない?いつもかなと一緒に来てるはずだろ…まさか休み?)
しかしチャイムが鳴っても千菜が来ることはなかった
奏叶(チャイムが鳴った…もしかして何かあったのかな…連絡してみる?…いやでもフラれた俺が連絡するのも…)
湊(なんであいつ来ねぇんだ…かなは何か知ってる?…いやなんか考え込んでるみたいだしかなも知らなそうだ。一応連絡してみるか)
奏叶(…いややっぱり心配だし連絡してみよう)
そして2人は別々に千菜にメールを送った
そして授業が始まり2人が連絡を入れてから1時間が経った
連絡はなし。それどころか既読もついていなかった
奏叶(おかしい…今までこんな事なかった。いくら昨日別れたからってこんな事しない)
湊(連絡なし、見てすらいねぇ…こんな事今までなかった。もしかしてまた倒れたりしてんじゃ…)
先生「よーし席につけ。授業初めるぞ~」
教室には既に先生が来て2時間目が始まろうとしていた
ガタッ
先生「どうした七瀬、突然立ち上がって」
不思議そうに聞く先生をスルーして奏叶は教室を飛び出していった
ガタッ
湊「待てよ!かな!」
奏叶に続けて湊もその後を追いかけて出ていった
先生「おいお前ら!?……何かあったのか?」
「さぁ?」
――教室を飛び出した奏叶は靴を履き替えて外に飛び出した
湊「かな!待てって言ってんだろ!」
奏叶「湊…」
湊「無闇に飛び出して事故にでもあったらどうすんだよ!」
奏叶「…ははっ」
湊「何笑ってんだよ!」
奏叶「だって俺達喧嘩してなかった?」
湊「…ぅ…それとこれとは話が別だろ」
奏叶「なんだかんだ言ってお前は優しい奴だよな」
湊「うるせぇ。喧嘩の事はとりあえず後回しだ。どうせ千菜を探しに行くんだろ。なら俺も一緒に行く。人手は多い方がいいだろ」
奏叶「…だな。」
湊「とりあえず家に行ってみるか」
奏叶「そうだな。行こう!」
俺達は1回喧嘩の事を後回しにして急いで千菜の家に向かった