君が嫌いで…好きでした
桜花
奏叶と湊の喧嘩の件が解決してしばらく全校生徒が体育館に集まる集会があった
今日は終業式
体育館で校長先生の長い話を聞いていることに気の短い湊はちょっと怒り気味だったり奏叶はそんな湊をなだめていた
でも今日で2年生が終わる
私の日常は静かにゆっくり進んでいる
奏叶も湊も私と関わるようになって1ヶ月くらいだけど骨折以外大きな怪我はないし何も起こっていない
もう大丈夫かもしれないと思う反面もしかしたら奏叶も湊もそうなってしまうのではないかと何処かでその不安だけはずっと消えないでいた
集会が終わり教室に戻ると皆春休みに心弾ませているようだった
友達と何処に行こうか話してたりとても賑やか
そうゆう私の春休みの予定は特にない
家でチョコと一緒に過ごす事が多いと思う
1つだけ…予定があるとすれば…
奏叶「千菜?千菜ってば」
奏叶に呼ばれていることに気づいてハッとする
奏叶「ボーッとしてたけど…そんなに本に没頭してたの?」
なんて奏叶は笑って言った
いつの間にか先生の話は終わっていてもう皆は帰り始めていた
千菜「ごめん…考え事してた…」
奏叶「そっか。湊が戻ってきたら帰ろう」
奏叶はあんまり深く聞くことはない
きっとなにかを察してくれてるのかもしれない
千菜「湊どこ行ったの…?」
奏叶「あいつなら女子に呼び出されてるよ。
明日から春休みだしあいつ結構モテるからね。今日ずっとだよ」
確かに湊格好いいしよく女子に騒がれてるよね…
でも奏叶もよく女子に騒がれてる…
もしかして奏叶も告白とかされてるのかな…
私がじっと奏叶を見ていると奏叶はそれに気づいた
奏叶「なに?」
千菜「別に…」
多分これってやきもちだと思う
やきもち妬いてるって思われたくなかったから適当にはぐらかしたけど…
奏叶「…心配しなくても俺は千菜だけだよ」
ニコッと笑った奏叶
どうやら私の気持ちは見透かされていたみたいだ…
奏叶「それにこの間の千菜が好きって初めて言ってくれたの凄く嬉しかったよ」
あの時初めてちゃんと奏叶に自分の気持ちを伝えたかもしれない
でもだからってこうやって改めて言われると…
千菜「…馬鹿じゃないの……」
奏叶のそうゆう真っ直ぐな所に凄く振り回されている気がする…
ガラッ
奏叶「お、戻ってきた。お帰り」
湊「あれ、まだ居たのかよ。先に帰ったかと思ったわ」
奏叶「なんだよ待っててやったんだから喜べよ」
湊「いや意味分からねぇ…ささっと帰ろうぜ」
鞄を持って歩き出す湊の後ろを私達は追いかけた