君が嫌いで…好きでした
3人並んで帰り道を歩いた
湊「あの校長の話長すぎんだよ!」
奏叶「それが校長先生じゃん。まぁ何にしたって明日から休みなんだから
それにしてもだいぶ桜が咲いてきたね」
季節はゆっくり流れ肌寒い冬から暖かい春に向かっている
微かにふく風に暖かい春の匂いを感じた
千菜「…………」
奏叶「…提案なんだけど折角の春休みじゃん?だからさ3人で花見に行かない?」
湊「定番だな」
奏叶「別に良いだろ。ね、千菜」
千菜「うん…私も行きたい」
奏叶「じゃ決まりだね♪」
湊「で、いつ何処に行くんだよ。かなの事だからもうリサーチしてあんだろ?」
奏叶「さっすが湊!3月29日に駿府城公園に行こうと思ってんだけどいい?」
え…3月29日に…駿府城公園…
湊「ふーん了解。開けとくわ」
千菜「…………」
奏叶「千菜は?予定とかない?」
千菜「………うん。大丈夫」
奏叶「なら決まり!時間とか細かい事はまた連絡する」
湊「お前が一番楽しみにしてるよな」
奏叶「良いだろ別に!」
楽しそうに笑って話す2人を見て本当の事を言えなかった
でも…前に進まなきゃいけない
きっと奏叶が一緒なら大丈夫
奏叶「楽しみだね千菜」
奏叶の楽しそうな無邪気な笑顔
奏叶と一緒に新しい思い出を作りたいと思った
私はある思いを心に秘めて頷いた
千菜「送ってくれてありがとう」
奏叶「ううん。休み中たまに遊びに来るね」
湊「出たかなのお節介。まぁ東だからな。
花見だけじゃなくてまた楽しいところ連れていってやるよ」
千菜「うんありがとう…」
そして奏叶達と別れ家に入った
千菜「チョコただいま…」
チョコをゲージから出してベットに腰掛けた
千菜「チョコ…私2人に言えなかった…」
3月29日、駿府城公園…
こんな偶然が重なることがあるのかな…
私は棚の上にあげてあるオルゴールを見つめた
あの日から時間だけが流れた
それでも忘れられない記憶は残ってる
千菜「…楓…………」