君が嫌いで…好きでした


3月29日、お花見当日


千菜「よし…」


服…これで変じゃないかな…
こんな風に誰かと待ち合わせして出掛けるなんて久しぶりすぎてよく分からない…


もうすぐ約束の時間…


昨日の夜奏叶から連絡が来て湊と一緒に10時に迎えに来るって教えてくれた

今日の天気はとても良い
こんな天気だからなのか少しウキウキしている自分がいる
待っている時間も何だか楽しくなる

奏叶が居なかったらこんな気持ちにならなかった
今日くらい色んな事忘れて楽しめたらいいな…
そして…の…は明日行こう


ピーンポーン…


奏叶達かな…


千菜「チョコ行ってくるね」



玄関を開けるとやっぱり奏叶達だった



奏叶「おはよ千菜」


湊「おう」


千菜「おはよ…」


湊「へぇ、お前ってそんな格好もするんだな」


奏叶「うん、可愛いよ千菜」


千菜「…ぁ…りがとぅ」


奏叶の真っ直ぐな言葉に恥ずかしくなる
それに奏叶はこの前も見たけど湊も格好いい…
やっぱり2人ともモテるはずだよ…



奏叶「よし行こうか」


湊「電車まで時間あるし歩いて間に合う。ゆっくり行こうぜ」


奏叶はスッと手を差し出してくれた
私はそれを見てゆっくり手を重ねた


こうゆう所もさらっとこなすんだから…



湊と奏叶と一緒に居るとあれだけ女子に騒がれる理由が分かる

電車の時間とか歩くペースとか歩く側とかさりげない気配りが沢山ある
こうゆう優しいところも好きだなぁと感じてしまう



いつの間に…こんなに奏叶の事を好きになったんだろう…



そして湊の言う通り電車の時間に間に合い電車に乗って駿府城公園に向かった



湊「電車で1時間。結構長いな」



奏叶「それが楽しいだろ。ね千菜」



千菜「うん…私景色見るの好き」


湊「駿府城公園に着けばもっと良い景色が見れるぞ」


千菜「湊は行った事があるの?」


私が聞くと湊は言葉を詰まらせた


奏叶「こいつ元カノと行った事があるんだよ」


湊「かな!余計なこと言うなよ!」


元カノ…そうなんだ…
何だか触れてほしくなさそうな感じ…


千菜「今日は新しい思い出作ろうね…」


湊「余計な気使わなくていいし…かなが余計なこと言うから千菜が気使ったじゃん」


奏叶「写真のお返しだよ」


湊「お前そんな前の事まだ根に持ってんのかよ!」


奏叶「当たり前だろ。それにまだ写真消してないだろ」



千菜「あの写真の奏叶かわいかったよ」


奏叶「千菜!?」



湊「ほら見ろ!千菜だってそう言ってるんだし!因みにこんな写真もあるぜ」


湊が見せてくれた写真は奏叶がお腹を出して寝ている写真


奏叶「わぁ!なんでそんな写真撮ってんだよ!」



湊「面白いから♪」



奏叶「今すぐ消せよ!それと千菜に見せるなって!」


奏叶は湊のケータイを奪おうと奮闘している
何だか楽しそうで賑やかな2人に思わず笑ってしまった

奏叶と湊と一緒に居るようになって心が軽くなって楽しいと思えることが増えた


千菜「早く着かないかな…」


奏叶「そうだね」


湊「だな」


そして電車で1時間かけて私達は駿府城公園に着いた

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